目標が定まらないときはどうする?生き方や価値観をもとにした無理のない目標設定の考え方を紹介
目標が定まらないときは、「やりたいこと探し」より先に、自分の生き方・価値観を3つの軸に言葉で決めて、その軸に沿った“今できる行動レベル”まで分解することが最優先です。目標はゴールではなく、「どう生きたいか」を実現するための通過点なので、他人の基準ではなく自分の価値観を起点に設計すれば、迷いは一気に減っていきます。
【この記事のポイント】
目標が決まらないのは「やる気がないから」ではなく、そもそも「生き方・価値観の軸」がぼんやりしているだけです。
生き方・価値観の軸を3つに絞り、それぞれを「行動レベル」に落とし込むと、目標は自然と見えてきます。
正直なところ、完璧な目標は存在しませんが、「今の自分が試せる目標」を3ヶ月単位で更新していけば、進みながら整えることができます。
今日のおさらい:要点3つ
- 一言でいうと:目標=生き方・価値観の“翻訳版”。
- 最も重要なのは:先に「どう生きたいか」を言葉にすること。
- 失敗しないためには:1年後の目標より「3ヶ月で試す小目標」を決めること。
この記事の結論
一言でいうと、「目標が定まらないときは、生き方・価値観の3つの軸を決めて、3ヶ月で試す小さな目標に翻訳することが最適解」です。
最も重要なのは、「年収」「肩書き」などの結果目標より、「どんな日常を送りたいか」というプロセス目標から先に決めることです。
ケースによりますが、「軸を決める → 3ヶ月の実験目標を1〜3個決める → 毎週15分だけ振り返る」を回すと、半年〜1年で“迷わない進み方”が固まってきます。
なぜ目標が定まらないのか?その本当の理由
情報が多すぎて、「自分の基準」が薄まっている
夜、ふと「このままでいいのかな」と思ってスマホを開き、「人生 目標 見つからない」と検索欄に打ち込む。出てくるのは「年収◯◯万円」「フリーランスで自由に」「海外移住」…。それらをスクロールしながら、「自分にはどれもしっくりこない」と感じて、画面を閉じる。そして翌日、また同じ言葉で検索している——そんなループに心当たりはないでしょうか。
正直なところ、いまは「目標候補」は溢れています。インフルエンサーの成功ストーリー、SNSの華やかな日常、キャリア本のモデルケース。
よくあるのが、「これも良さそう」「あれも楽しそう」とタブだけ増えて、結局自分のページは白紙のまま、という状態です。
私自身、会社員から独立に悩んでいた頃、YouTubeで「起業 成功」「フリーランス リアル」といった動画を毎晩のように見ていました。けれど、見れば見るほど「何が自分に合っているのか」が分からなくなり、1ヶ月で視聴時間は30時間を超えたのに、具体的な目標は一つも決まっていませんでした。
振り返って思うのは、「他人の目標」を見ている時間が長すぎて、「自分がどう生きたいか」に使う時間が圧倒的に少なかった、ということです。
「目標=立派なものでなければいけない」という思い込み
目標が定まらない人の中には、「どうせ目標を持つなら、立派じゃないと意味がない」と感じている方も少なくありません。よくあるパターンは、
- 年収を大きく上げる目標
- 会社で出世して大きな役職に就く目標
- 起業して“自由な生活”を手に入れる目標
など、世間的に分かりやすい「すごい目標」だけを目標とみなし、それ以外は「小さすぎて目標とは呼べない」と切り捨ててしまうケースです。
実は、私も20代後半まで、「年収1,000万円」「本を出す」「海外出張」といった“分かりやすい目標”しか思いつきませんでした。でも、本音では「朝ゆっくりコーヒーを淹れたい」「通勤電車で押しつぶされるのはもう嫌だ」という“地味な願い”のほうが、ずっと自分らしい欲求だったんです。
あるとき、先輩フリーランスにこう言われました。
「立派な目標より、“毎日これなら続けたい”って思える暮らしを先に描いてみたら?」
この一言で、「目標=派手なゴール」という縛りが少し緩み、「生き方レベルの目標」を考え始められるようになりました。
「目標=一度決めたら変えてはいけない」という勘違い
もう1つのよくある罠が、「一度決めた目標は変えてはいけない」という思い込みです。「三日坊主になりたくない」「途中で変えるのは逃げだ」と感じて、目標を決めること自体を怖がってしまうケースがあります。
実は、これは私のクライアントさんにもとても多いテーマです。ある40代の方は、「毎年元日に目標を立てるけど、2月にはもう覚えていなくて自己嫌悪になる」と話してくれました。
「どうせまた続かないなら、最初から目標なんか立てないほうがマシなんじゃないかって…」
この「どうせ続かない」というイメージが強いほど、目標設定は「自分を責める材料」に変わってしまいます。でも、本来目標は、「今の自分がどこに向かいたいか」を知るための仮説であり、変わっていくほうが自然です。
実際、私自身も何度も目標を変えてきました。独立直後は「月商◯◯万円」、次の年は「週休3日」、そして最近は「毎日2時間は書かない日をつくらない」というプロセス目標に変えています。
目標が変わるたびに、「あ、今の自分にとって大事なものが変わってきているんだな」と気づけるようになりました。
生き方・価値観から“迷わない目標”をつくるステップ
生き方の3つの軸を決める(価値観の棚卸し)
目標設定の前にやるべきなのは、「生き方・価値観の棚卸し」です。ここを飛ばして目標を決めようとすると、他人の価値観が紛れ込んだ「誰かの人生のコピー」になりやすくなります。
おすすめのワークは、以下の7つの問いを書き出すことです。
- お金と時間が十分にあったら、どんな一日を過ごしたいか?
- 最近、「これは違う」とモヤモヤした出来事は何か?
- 尊敬する人のどんなところに惹かれているか?
- 過去3年で、「やってよかった」と思う選択は何か?
- 絶対に手放したくない習慣・時間は何か?
- 逆に、「二度と戻りたくない」と感じる働き方・暮らし方は何か?
- 人生があと3年だとしたら、何を優先したいか?
出てきた答えを眺めてみると、似たようなキーワードが浮かび上がってきます。例えば、「家族」「健康」「自由」「成長」「安心」「貢献」などです。
ここから、「3年後の自分が一番感謝しそうなもの」を基準に、3つだけ選んでみてください。それがあなたの「生き方の3つの軸」になります。
たとえば、私の場合は、
- 安心(心身の余裕・無理をしない働き方)
- 成長(学び、書くことのスキル)
- つながり(対話を通じて誰かの役に立つこと)
という3つに落ち着きました。これを決めただけで、「年収」や「肩書き」だけで目標を考えていた頃より、ずっと腹落ちする選択がしやすくなりました。
「こうありたい日常」から逆算して目標をつくる
生き方の軸が見えてきたら、次は「こうありたい日常」を描いていきます。ここでは、いきなり5年後・10年後ではなく、「1年後の理想の平日・休日」をイメージしてみてください。
例えば:
- 平日の朝は、通勤電車に急かされずに、自分で決めた時間にコーヒーを飲んでいる
- 昼間は、集中して取り組める仕事があり、残業は週1回まで
- 夜は、スマホを見続けるのではなく、1時間は本を読んだり、家族と話している
- 休日は、「どこかに行かなきゃ」と焦るのではなく、心から休めている
ここで大事なのは、「具体的な情景」にすること。「充実している」といった抽象的な言葉ではなく、「何時に起きて、何をしているか」まで書いてみると、目標が現実レベルに落ちてきます。
私も独立前、ノートに「理想の1日」を時間軸で書き出しました。通勤時間ゼロ。朝は7時起床で散歩と読書。午前中は執筆、午後は打ち合わせ。夜は仕事を持ち帰らない。
そのとき初めて、「あ、自分が欲しいのは“数字としての成功”より、“時間の主導権”なんだ」と気づきました。
「生き方の軸 × 日常」を“行動レベル”に翻訳する
次のステップは、「生き方の軸 × こうありたい日常」を、行動レベルに翻訳することです。ここで初めて、「目標」の出番です。
例えば、軸が「安心・成長・つながり」の場合:
- 安心の軸 → 「睡眠7時間」「残業は月◯時間まで」「週1日は完全オフ」
- 成長の軸 → 「毎月1冊本を読む」「3ヶ月で◯◯の講座を受講」「週1本ブログを書く」
- つながりの軸 → 「月1回は深く話せる人と1対1で会う」「仕事で◯人の役に立つアウトプットを出す」
ここから、具体的な目標を3ヶ月単位で1〜3個だけ決めます。
例)
- 「3ヶ月で、毎日23時までにスマホを閉じる日を、月15日にする」
- 「3ヶ月で、週1本ブログを書く(合計12記事)」
- 「3ヶ月で、月1回の“深く話す時間”をカレンダーにブロックする」
こうすると、「やりたいことがわからない」という状態から、「こう生きたいから、この目標を試す」という状態に変わります。目標が、「自分の生き方の翻訳」に変わる瞬間です。
迷わず進み続けるための、現実的な行動と見直しのコツ
大目標ではなく「3ヶ月の実験目標」を設定する
目標を「一年の抱負」として立てると、多くの場合、2月には記憶から薄れてしまいます。そこでおすすめなのが、「3ヶ月の実験目標」という考え方です。
ポイントは3つ。
- 3ヶ月あれば、「合うかどうか」を試すには十分
- 合わないと思えば、3ヶ月ごとに軌道修正できる
- 「一生続ける」前提ではないので、気持ちが軽い
私もこれに切り替えてから、目標に対するプレッシャーがかなり減りました。例えば、
- 第1四半期:毎日1時間、朝に文章を書く
- 第2四半期:週3回に減らし、その代わり1回あたり2時間集中する
- 第3四半期:クライアントワークを減らし、自分のメディアに比重を移す
こんなふうに、「3ヶ月ごとに目標とやり方を微調整する」前提にすることで、「続けられなかった=失敗」ではなく、「試した結果、こう調整すればいい」という視点に変わります。
毎週15分の「やれたこと・やれなかったこと」振り返り
目標を立てっぱなしにせず、「振り返りの時間」を組み込むことが、迷わない進み方には欠かせません。とはいえ、がっつり振り返りをしようとすると、それ自体が大仕事になって続きません。
おすすめは、週1回15分のミニ振り返りです。ノート1ページに、次の3つを書くイメージです。
- 今週、目標に関して「やれたこと」
- 「やれなかったこと」+「なぜできなかったか」
- 来週、「これだけはやる」と決める1つの行動
ポイントは、「できなかった自分を責める」ではなく、「なぜできなかったか」を淡々と観察すること。例えば、
- 仕事が想定より忙しくて時間が取れなかった → 行動の時間帯を朝に変えてみる
- やる気が湧かなかった → 目標が大きすぎるので、小さく分解してみる
- そもそもやる意味を感じられなかった → 生き方の軸とズレていないか見直す
こうやって、「目標」を自分に合わせてチューニングしていく感覚が持てると、迷いは「改善のネタ」に変わっていきます。
「例外OK」のルールを最初から決めておく
完璧主義の人ほど、「目標通りにできなかった日」が続くと、一気に自己否定モードに入りやすいです。よくあるのが、「3日続いたのに、4日目で途切れた → もういいや」と全部手放してしまうパターン。
これを防ぐために、最初から「例外ルール」を決めておくのがおすすめです。
例えば:
- 週に2日は「何もしない日」があってもOK
- 3ヶ月のうち、1ヶ月は「ゆるくやる月」として、達成率50%で合格
- 体調不良や大事な予定がある週は、「目標の半分できたら花丸」にする
私自身も、「毎日書く」目標に何度も失敗しました。今は、「週5日書けたらOK」「1週間完全に書けない週があっても、翌週から再開すればリセットされない」というルールに変えています。
正直なところ、「例外を許すなんて甘いのでは」と感じるかもしれません。でも、目標を長く続けている人ほど、「自分に優しいルール」をうまく持っているものです。ストイックさより、「続けられる仕組み」を優先してあげてください。
よくある質問
Q1. やりたいことがないのに、どうやって目標を決めればいいですか?
A1. 「やりたいこと」から考えるのを一旦やめて、「どう生きたいか」「どんな日常ならホッとするか」から逆算してください。生き方の軸が決まれば、その軸に沿った「試してみたいこと」が見えてきます。
Q2. 目標を決めてもすぐに飽きてしまいます。
A2. 「一年の目標」ではなく、「3ヶ月の実験目標」に変えてみましょう。飽きたら変えてOKという前提にするだけで、「最後までやらなきゃ」というプレッシャーが減り、結果的に続きやすくなります。
Q3. 仕事の目標と、人生の目標がバラバラです。
A3. まずは「生き方の3つの軸」を決め、その上で「仕事」「健康」「人間関係」など各分野の目標を、その軸に沿うように調整しましょう。生き方の軸とズレている目標は、どれだけ頑張っても疲れやすくなります。
Q4. 目標を決めると「達成できなかったらどうしよう」と不安になります。
A4. 「達成すること」だけが目的だとそうなります。「目標を通して、自分の好き・嫌いや、得意・苦手を知る」ことも目的に加えると、たとえ達成度50%でも価値のある経験になります。
Q5. 数値目標が苦手です。感覚的な目標でもいいですか?
A5. 感覚的な目標自体はOKですが、「行動レベル」に最低1つは落とし込んでください。例:「穏やかに暮らしたい」→「平日22時以降は仕事のメールを見ない」。
Q6. 家族の期待と自分の目標がズレています。
A6. 「家族に見せる目標」と「本音の目標」を一度分けて考えましょう。その上で、「共通して大事にしたい価値観は何か」を話し合えると、折り合いのつく目標を作りやすくなります。
Q7. 今の仕事が好きではないので、目標が立てられません。
A7. 仕事そのものに目標が持てない場合、「仕事以外の時間」を軸に目標を立てても構いません。並行して、「3ヶ月だけ転職活動を情報収集レベルでやってみる」など、次の選択肢づくりを目標にしても良いです。
Q8. プロに相談したほうが早いですか?
A8. 一人で考えると堂々巡りになりやすいなら、「価値観の整理」や「キャリアの棚卸し」を一緒にしてくれる人に相談するのは有効です。ただし、最終的な目標は、必ず自分の言葉で決めることを忘れないでください。
まとめ
目標が定まらないのは、「意志が弱いから」ではなく、「生き方・価値観の軸が曖昧なまま、ゴールだけ決めようとしているから」です。
正直なところ、完璧な目標は存在しません。だからこそ、「生き方の3つの軸を決める → 1年後の理想の日常を描く → 3ヶ月の実験目標に翻訳する」というプロセスで、進みながら整えていくことが大切です。
ケースによりますが、「週1の15分振り返り」と「例外OKのルール」をセットにして、3ヶ月〜1年続けるだけでも、「自分なりの進み方」がかなり輪郭を帯びてきます。
要点まとめ
- 目標=生き方・価値観の翻訳版。
- まずは7つの質問で価値観を棚卸し、生き方の3つの軸を決める。
- 1年後の「こうありたい日常」から逆算して目標を考える。
- 目標は「3ヶ月の実験目標」として、1〜3個だけに絞る。
- 週1回15分の振り返りで、目標をチューニングしていく。
- 例外ルールを決めて、「続けやすさ」を最優先にする。
もし今、「自分の生き方の3つの軸が、なんとなくは分かるけど言葉にしきれない」と感じていたら、まず“仕事”と“暮らし”のどちら側の目標から整えたいか、どちらか一つだけ教えてもらえますか。そちらを起点に、あなた専用の7つの質問と「3ヶ月の実験目標案」を一緒に組み立てましょう。



